さてさて

生きてると年をとるんです

静かな公園

今日も秋晴れです。


残念ながら良いお天気は今日までで、明日から台風の影響が出てくるみたいです。


お天気が良いと外へ出たくなりますが、そんな遠くでなくても、近場の緑地などへ足を運ぶ人も増えますね。


家の近くに小さな公園があります。


ブランコ二つと鉄棒、簡素な滑り台…これだけです。


砂場も水飲み場もない、ささやかな空間です。


でも、各小中校などの校庭に自由に入れなくなってからは、貴重な場所になっていました。


この公園を30年以上見続けて来ましたが、時と共に様子が変化し、利用する人も移り変わり…


今は…全盛期の賑わいがまるで嘘のように、静まり返って…


学校が終わったあと、ほぼ毎日通ってきた女の子がいました。


多少の雨でも、チラチラ雪が舞う日でも、ずっとブランコをこいで夕暮れを待ち、夕闇と一緒に居なくなっていました。


一度だけ父親らしき人が迎えに来たのを見たことがあります。


『ご飯食べたのか?』


少女が何と返事したかは、聞こえませんでしたが、その時は一緒に帰りました。


時間は午後一時をかなり過ぎていました。


通い始めのころ、帰宅する少女とスレ違い名札を見たことがありました。


それから何年も公園に通ってきた少女は、中学校を卒業した三月を最後にこなくなりました。


もう…10年くらいになるでしょうか


人待ち顔の小さな公園を見て、今日はふと


あの時の少女を思い出しました。


(幸せになっていてね)


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