さてさて

生きてると年をとるんです

そういえば

こんな暑い夏の午後


庭木の剪定をしていたシルバー人材派遣のおじいさんが、家の中にいた私に言いに来た


『お宅 庭で鳩飼ってるの?』


???

何のことかと見に行くと、梅の枝に鳩ノ巣があった。


おじいさんに教えられ分かったが、言われなければ気づかなかったかもしれない。


鳩ノ巣もそこにいる小鳩も、周りの枝に溶け込んでいた。


同じように見える羽毛も、巣も、芸術品のように美しかった。


実に見事だった。


剪定のノコギリ音がどんなにうるさくても、わさわさ歩くおじいさんが恐くても、親鳥は小鳩から離れなかった。


小鳩は、じっと身じろぎもしない。


本能的なものか、親鳥がそばにいる安心感からか、小鳩はずっと落ち着いていた。


始めてみた鳩の子供だった。


おじいさん曰く、

『珍しいね、山鳩が住宅の庭に巣を作りなんて』


鳩の子供を見ることが出来るのは幸運なこと


『babyピジョン』


それを知ったのは、何年もあとになってからの話です


小鳩たちを我が家の庭で見たのが、もう20年以上も前の古い思い出です。


その時の小鳩を勝手に男の子と思い込み、レオナルドと名付けました。


それから今日に至るまで我が家に鳩がやって来るたび、レオと呼び掛けています。


あの時のあの子は、とっくに天国に旅立ったでしょうに。

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