送り盆
早いもので、もう皆さんは帰る日になりました。
送り火は夕闇迫る頃焚くので、その辺りが時限なのでしょうか…
私には幼くして亡くなった兄と、出産時の事故で亡くなった弟がいます。
まぁ…一番自分に近い冥界の人達と言えるかもしれませんが、正直弟には想い出がありません。
生まれた日が命日ですから、会ったことも無く、知らないのは当然ですね。
弟は、兄が亡くなった約一年後に生まれています。
弟が生まれる前は、当然母親が身籠っていて、生まれるのを楽しみにしていただろうに、一切覚えていることが無い、皆無です。
当時私は3才9カ月
幼いから 当然でしょうか…
でも、兄が亡くなった時の私は2才8ヶ月
信じない人もいるでしょうが、いくつか鮮明な記憶があります。
それは未だ色褪せない思い出で、細部に渡り覚えています。
具体的な内容は、他者をも巻き込んだ描写になりますので、控えたいとおもいます。
当時兄は4才5ヶ月
最期に会ったとき、もう自分の死期を知っていました。
最後まで私に優しい兄でした。
小さくても死に際して、覚悟をする事ができると
教えてくれたのでしょうか…
今年も兄は来たのでしょうか?
一度くらいは、私の様子を見に来てくれたでしょうか?
二十代半ば過ぎまで、兄の気配…
私を気遣う配慮のようなものを、感じる時があったと
本気で信じています。
それからずいぶん長い間…
感じることが無くなりました。
兄は どこにいるのでしょう
久しぶりに、帰り際で良いから
私のそばまで来てください。