朝が来ました
当たり前ですが、朝が来ました。
生きていればこその、感想ですね。
昨日は、兄の命日…
なくなる前病院にお見舞いに行った時、死期を悟っていたであろう4才児は、最後に何を考えたのかな…
考える余裕なんて無かったかもしれない
当時2才9カ月の私は、うるさかったのだろう…
兄が入院した時から私は、叔母の家へ預けられていた。
そこには、私と同い年の従姉妹がいて、何かにつけ意地悪をされていた。
叔母は当然自分の子供がかわいいし、その連れ合いはなおさらだった…ごく当たり前で、普通のことだと今なら理解できる。
それがある日、買い物から帰った叔母が私を呼んだ。
そんなこと無かったので、かなり驚いた。
そして、下駄を二組見せて言ったのだ。
『好きな方取りな』
これまたびっくり!
従姉妹を差し置いて、私を先に何かをさせるなんて、初めての事だったからだ。
それも…結局叔母の誘導で、変わった下駄を選ばされたけど…
それでも新しい下駄がうれしくて、私ははしゃいでいた。
翌朝、病院へ見舞いにいくことを突然言われた。
私は昨日の下駄を履いていった。
病院の中で下駄の音はうるさかっただろう…
『静かにしろ…俺のオモチャ全部やっから…』
弱々しいその言葉が、
私にかけた最後の言葉でした。
兄がもう最期だと知っていながら、何故音の出る下駄を買ってきたのか?
普通の靴で良かったのに…何故だろう?
お祭りでもなく、その日浴衣を着たわけでも無いのに…
今もって理解できない。
まぁ…この叔母は、ずっと安定して意地悪な人ですが…
極楽に咲く花 蓮 (はす)